ファッション2024.12.20

複数の視点から「制服」について考えてみよう!

#ファッション #社会心理 #デザイン学 #自己表現

「制服」と「ファッション」の関係 ーデザイン学の視点から考えると?ー

 日本の学校制服は明治期以降に広がったとされています。当時は高等教育への進学者も少なく洋服も高価だったので、制服の学生さんやリボンをつけた袴姿の女学生は、新しい学問や先進性の象徴でもありました。
 時は流れて1970年代以降に若者人口が増加すると、制服の変形や着崩しが社会問題となりました。服飾造形の観点から考えると、制服のスカート丈を極端に変更したり着崩すことは、完成されたデザインのバランスを崩し、美的価値を損ねることがあります。

 近年、様々な観点から私服選択ができる学校も増えていますね。そもそも、制服は私なりのおしゃれを追求するものでしょうか... ちょっと違った視点からも考える必要がありそうですね。

「制服」と「集団」の関係
 ー集団維持機能としての制服とは?ー

 社会心理学の視点から制服の機能を考えてみましょう。制服には集団を維持させる力があります。ある制服を着ることによって、〇〇高校の生徒だと分かります。制服を着ている本人は所属感が高くなり、周囲は所属している集団が分かります。私たちは集団に属し、恩恵を受けながら生活をしています。
 一方で、集団のルールから外れたことをすると社会的制裁を受けます。制服を着ることは、「集団の一員である証」であり、それ自体が自己表現、そして集団の一員として恥じぬ言動を取ることを約束しているともいえます。しかし、実際には制服により自由を奪われた感があるのも事実ですよね。その反発として、着崩しという自己表現が現れるのでしょう。

おススメの学問

藤巻 貴之
准教授

社会学部 社会情報学科

専門:社会心理学、ポジティブ心理学
趣味:バランスの悪いものが好きらしく、二輪の乗り物が大好きです。先日、学生から「先生、ジェンガ好き?」と聞かれ、「確かに〜!」と気付かされました。
メッセージ:大学で"貴重で"無駄な時間を過ごしてほしい!!

江良 智美
専任講師

社会学部 社会情報学科

専門:デザイン学、服飾造形、服飾文化
趣味:マンガ・アニメ・音楽・ステージを楽しむことが生活の一部です。3次元のお洋服の2次元パターンを思い浮かべるのが好きです。
メッセージ:大学は、学問を通した人との出会いにあふれています!

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