心理学2025.4.3
犯罪の真実!現実とフィクションの狭間
#犯罪心理学 #捜査心理学 #統計学 #プロファイリング
『名探偵コナン』、どこまでリアル!?
日々、さまざまな事件が報道される中、刑事ドラマやアニメでは主人公が鮮やかに事件を解決、いつの時代も人々を魅了するフィクション。それはどこまでリアルなのでしょう。そんな疑問を持ったゼミ生が国民的人気を誇る『名探偵コナン』を題材に実際の事件との比較を試みました。
その結果、意外にも『名探偵コナン』で登場する犯人は8割が男性で20代30代が多いなど、実際の事件の犯人と似ていることが明らかに。
一方で「早朝の犯行が少ない」「計画性が高く、現実より毒物使用が多い」といった現実とは一線を画す点も。『名探偵コナン』の人気の秘密は、リアルな事件の側面とフィクションならではの演出が巧妙な点にあるのかもしれませんね。
リアルはここが違う! センスよりエビデンスを駆使した犯罪捜査
類まれなセンスで事件を解決するフィクションの刑事や探偵、実際の捜査はそう簡単にはいきません。
さて、ここで1つ問題です。ある地域で泥棒が「月曜2回、火曜1回、水曜3回、木曜2回、金曜2回、土曜4回、日曜4回」というペースで犯行に及んでいます。ここから「週末に犯行が多い」は正しい判断でしょうか?
実はこんなシンプルな問いでも重要な意味を持ちます。もしかすると「たまたま」週末が多いだけで、ここから「犯人は週末に現れる!」なんて考えたら捕まるものも捕まりません。
このような「偶然か、意味のある傾向か」を確認できるツールが統計学であり、実際のプロファイラーはこのような視点を持って事件を分析しています。
財津 亘
准教授
心理学部 心理カウンセリング学科
専門:犯罪心理学、捜査心理学
研究テーマは、「犯罪者プロファイリング」のほか、最近は「AIと心理学」といったテーマにも興味があります。
メッセージ:学生当時「確率統計」が苦手でしたが、今では日常的な必須のツールとなりました。「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもので、大学で夢中になれることを見つけてください。