経営学部経営学科の吉原敬典教授が編著者を務めた『ホスピタリティマネジメントが介護を変える-サービス偏重から双方向の関わり合いへ-』(新・MINERVA福祉ライブラリー37)をミネルヴァ書房から刊行されました。
本書は、高齢社会を迎え、介護施設の利用者である高齢者が自らの欲求や願望に蓋をすることなく、一人ひとりの可能性を引き出すことができるマネジメントを提案するものです。SDGsの中のDevelopmentを実現し私たちの生活を豊かにするために、経営学の一分野であるホスピタリティマネジメントを介護に適用して、一人ひとりの「自律性」「交流性」「補完性」を促進しQOL (Quality of Life) の向上を目的にしています。本書では介護について、「高齢者の気持ちを受けとめ、まだできる能力に目を向けて、その人らしく生きることができるように、その人を丸ごと受けとめ応援する取り組み」であると捉えています。
ホスピタリティマネジメント研究の第一人者である吉原教授は、本書において、「ホスピタリティマネジメントとはサービス利用者と現場職員が双方向に関わり合い、プラスの相乗効果を高め合える環境を構築するための経営哲学であり手法である」と説き、その理論的根拠と環境づくりのための手法を「誰にでも身に覚えのある」事例をふまえ解説しています。利用者の幸福感と職員のモチベーションを同時に高められるホスピタリティマネジメントは利用者と職員が共創するものであり、「活私利他」「三方よし」に通ずる点があることを提示した一冊となりました。
吉原教授はこれまで、『ホスピタリティ・リーダーシップ』『ホスピタリティマネジメント-活私利他の理論と事例研究-』『医療経営におけるホスピタリティ価値-経営学の視点で医師と患者の関係を問い直す-』(ともに白桃書房) のホスピタリティ3部作を刊行しており、産経新聞やTKC全国会(中小企業のビジネスドクター1万人超の税理士集団) 発行の「医業経営情報」においても取り上げられています。
『ホスピタリティマネジメントが介護を変える-サービス偏重から双方向の関わり合いへ-』
編 著 者 : 吉原敬典
発 行: ミネルヴァ書房
出版年月: 2020年7月