私たち目白大学メディア学部 三上義一ゼミ3年生は、大学近辺で開催される「染の小道」(主催:染の小道実行委員会)にボランティアとして参加し、同時に取材もしました。
今日、新宿区というイメージからはなかなか想像しにくいかもしれませんが、昭和初期から30年代まで、東京の神田川・妙正寺川流域には300軒を超える染色関連業が集積し、目白大学がある落合・中井地域は京都・金沢に並ぶ染色の三大産地として知られていました。
「染の小道(そめのこみち)」は、落合・中井を「染めの街」として再び日本や世界へ発信し、この地域が大切にしてきた美しい染め物や、それを作り出してきた技術を多くの方々に直接体験していただき、地元の活性化につなげることを目的とした、住民主体のイベントです。毎年2月末、3日間に渡り開催されます。
ボランティア・取材活動について
具体的に、ボランティアとして作業したのは、「染の小道」のシンボルである川のギャラリーで染物を設置することでした。約10メートルにもなる染物を、地元の方やボランティア生含めた20名近くの方々と一緒に一つひとつ設置していきます。
その後、川沿いを歩きながら「染の小道」ならではの出店や展示を撮影しました。また、私たちゼミ生は、ボランティアの方に着付けをさせてもらいました。
そして近くにある落合第五小学校では、「染のがっこう」と呼ばれる染色ワークショップが開催されていました。地域の子どもたちが来年の染物の作成をしています。このように「染の小道」が、来年以降も引き継がれてつながっていく様子を間近に見ることができました。
最後には沖縄の伝統工芸である紅型を用いて東京風にデザインをしている、おかめ工房 山本加代子先生にインタビューをさせていただきました。
まずは、3日間で私たちが体験した「染の小道」の第1部を簡単にまとめた動画をご覧ください。
<染の小道:プロモーション映像>
<反物設置>
私たち設置班は、「染の小道」での代表的な反物をどのように設置していくのかを工程通りを撮影しました。老若男女問わず短時間でわかりやすい動画制作を目標としました。
「染の小道」に参加した地域の方々や学生たちと協力し、染の小道実行委員の方の指示に従い反物を川の上に吊るしました。設置は1つの反物を設置するのに15人程度の人手が必要となります。
川の上に設置するための器具を装着する過程がとても力仕事となっていて大変でした。1つの反物を地域の方々や学生たちと協力して設置するため、より一体感を味わうことができました。設置が終わり、さまざまな反物が飾られた川は色鮮やかに彩られ、通る人々を賑わせていました。
<おかめ工房>
私たちは、「染の小道」で毎年体験講座を開催している、おかめ工房の山本加代子先生に取材をさせていただきました。
おかめ工房は、沖縄由来の紅型本来の「顔料」という染料を用い、昔から変わらない工程や技法で本格的な紅型染めを教えています。通常のレッスンだけでなく、体験講座も行っており、参加者が紅型染めを身近に感じられる機会を提供しています。
取材では、実際に体験講座に参加している様子や、店内で販売されているランプシェードやテーブルランナー、壁に飾る額など、多くのインテリアアイテムについても詳しく教えていただきました。これらの作品は、伝統的な技法を駆使し、現代の生活空間に溶け込むデザインが特徴です。
取材を通じて、私たちは紅型染めがどのようなものか、具体的にどのような作品が作られているのかを詳しく知ることができました。おかめ工房での取材の様子を撮影した動画をどうぞご覧ください。