7月5日(日)、駒澤大学で開かれた書籍『政治と音楽Ⅱ 人々の心が織りなすグローバル関係』の出版記念イベントに、メディア学部メディア学科の加藤賢専任講師が、評者として登壇しました。
このイベントは、本書の編者である半澤朝彦氏(明治学院大学)と、芝崎厚士氏(駒澤大学)のコーディネートによって開かれたものです。会場には、音楽評論家としても著名な政治学者の片山杜秀氏(慶應義塾大学)、中東政治研究の第一人者である酒井啓子氏(千葉大学)、ウクライナから参加したオリガ・ホメンコ氏(ロンドン大学SOAS)ら、国際政治・国際関係論の最前線に立つ研究者が集いました。その中で加藤専任講師は、ポピュラー音楽研究の専門家として、書籍全体を論評する役割を担いました。
報告のタイトルは「関係の中で立ち上がる政治性」です。ナイジェリア・ラゴスの一軒のレコード店から、日本のポピュラー音楽が世界で聴かれる現在までを取り上げ、「音楽の価値は、今誰が決めているのか」という問いを投げかけました。
<加藤賢 専任講師のコメント>
音楽の政治性は、音楽そのものにあらかじめ埋まっているわけではありません。それは、誰と誰の、どのような関係の中で立ち上がるのか。国際政治学の先生方が積み上げてこられたこの視点は、ポピュラー音楽の研究にとっても、大きな示唆に富むものでした。
戦争や分断が続くなか、ある音楽が国家の誇りとして掲げられ、別の音楽が排除されるということが、今まさに起きています。日本でも、ポピュラー音楽を世界へ送り出そうという動きが強まっています。誰の音楽が価値あるものとして認められ、誰の音楽が忘れられていくのか。その「中心」は今どこにあるのかという問いを、これからも考えていきたいと思います。
好きな音楽を、ただ楽しむだけで終わらせない。その音楽がどこで生まれ、どう世界に広まり、誰の手で価値づけられるのかを問う時、音楽の研究は世界を読み解く鍵となります。メディア学科では、こうした最前線の研究に取り組む教員の下で、身近な文化を通して社会を深く理解する学びを提供しています。
教員紹介
専門はポピュラー音楽研究。シティポップ、渋谷系、戦後大阪の音楽文化などを事例に、都市空間、音楽の流通、文化政策の視点から研究しています。

