10月2日(水)、メディア学部メディア学科専門教育科目「メディア学基礎B」の特別講義が開催されました。講師に株式会社博報堂DYメディアパートナーズの新美妙子氏をお迎えし、「生活者のメディア接触の現状と課題」をテーマに、最新のメディア環境や情報リテラシーについて学びました。
授業では、博報堂DYメディアパートナーズが毎年実施している「メディア定点調査」から、メディア接触時間の推移が紹介されました。2024年の調査では、1日あたりのメディア総接触時間は432.7分に達し、そのうち携帯・スマートフォンの利用が37.4%を占めました。テレビ視聴時間が減少傾向にある一方で、スマートフォンやタブレットなどデジタルメディア利用の増加が示されました。
次に、メディアに対する人々の意識の変化について解説がありました。「インターネットの情報はうのみにはできない」「情報は伝える速さよりも内容の確かさが重要」といった意識が高まっている一方で、スマートフォンやSNSへの依存度が増していることも指摘されました。
講義の後半では、偽情報・誤情報の(フェイクニュース)問題が取り上げられました。新美氏は「私たちはなぜ騙されるのか」という観点から、人間の心理や認知バイアス、さらにはSNSのアルゴリズムによる「フィルターバブル」について説明しました。最後に、偽情報に騙されないためのチェックポイントや、情報を拡散する際の注意点が紹介されました。
講義に参加した学生からは、「データに基づく具体的な説明がとても分かりやすかった」「今はなければ生きていけないほどスマホの存在が当たり前だが、自分が生まれた頃にはまだスマホは存在しないという事実と進化の速さに衝撃を受けた」といった声が寄せられました。
また、特にSNSの利用における情報の信頼性についての考えを深めた学生も多く、「自分はSNSに踊らされないと考えていたので、今回『騙されないと思っている人ほど騙されやすい』という話を聞いてドキッとした」といった感想がありました。
メディア学科では、業界の第一線で活躍する専門家を招いた特別講義を開催しています。
今回の講義は、学生たちが日常的に接しているメディアに対して改めて問題意識を持つ貴重な機会となりました。