2020年度4月、外国語学部日本語・日本語教育学科の専門教育科目として、「日本語教育実習」がスタートしました。これは、3年生が春学期・秋学期の年間を通して履修する科目です。日本語教師になる方法の一つとして、日本語・日本語教育学科を卒業し、日本語教員養成課程修了証(※本学が独自に発行するもの)を授与されるには、この「日本語教育実習」を履修し、単位修得しなければなりません。今年度は「日本語教育実習」開講1年目でしたが、学科の多くの3年生が履修し、実習に取り組みました。
「日本語教育実習」の内容を大きく分けると、①春学期、➁夏休み、③秋学期の三つの期間に、それぞれ活動があります。
①春学期は、実習生が数名ずつのチームを組み、日本で学習中の留学生を対象に、日本語初級の模擬授業を行いました。春学期は、まだ大学全体が遠隔授業をしていたため、この模擬授業もZoomを使用しました。
➁夏休みは、都内の日本語学校で10日間の教壇実習を行いました。実習生たちは自分自身で授業案や教材を作成し、1人で教壇に立ち、留学生たちに授業を行いました。
③秋学期は、地域のボランティア日本語教室、公立夜間中学校の日本語学級、難民支援団体の日本語教室を見学し、さまざまな立場の日本語学習者、日本語学習支援の現場について学びました。そして、1年間の実習で得た知見について、報告書にまとめました。
なお、現在のような社会状況でなければ、国内だけでなく、海外(台湾、韓国、オーストラリア)での実習も行われる予定でしたが、今年度は国内のみの実施となりました。
コロナ禍により、そのような残念な一面もあったことは事実ではありますが、国内でもなかなか会いに行くのが難しい遠方の留学生たちとZoomで交流する機会を持つこともできましたし、これからのオンラインによる日本語教育の方法を模索する契機にもなりました。「日本語教育実習」を修了した学生たちが、近い将来、日本語教師として世界で活躍してくれる日が、とても楽しみです。