このたび、保健医療学部作業療法学科 重村淳教授が医学誌「Psychiatry and Clinical Neurosciences」(以下、PCN)の"PCN Reviewer Awards 2020"を受賞しました。
PCNは英文の学術誌で、国内における精神科医師の最大学会である日本精神神経学会が発行しています。PCNには世界各地から学術論文の投稿が寄せられ、学術雑誌の水準を表す被引用数(論文が他論文に引用された回数を示す数値で、論文が後に与えたインパクトを示す)は、全世界の精神医学誌(156誌)のうち33位(2020年現在)と、世界的にも高水準にあります。
学術論文が投稿されて出版されるまでには、長い道のりがあります。論文が投稿されると、編集委員がその内容に応じた専門家を数名選びます。選ばれた匿名の専門家(査読者reviewerと呼ばれます)は、その論文を審査し、その評価を編集委員に送ります。編集委員は、査読者たちの評価をもとにして、論文を掲載・修正・却下するかを判断し、その結果を筆者に返却します。大多数の論文は却下され、厳選された一部の論文が掲載の対象となりますが、一回の投稿で掲載されることは殆どありません。多くの場合、修正後は再査読となり(場合によっては再修正→再々査読もあり)、ようやく出版までたどり着くのです。
このように、査読者は、その論文の良い点だけでなく科学的問題点や修正点を細かくチェックし、科学に基づいた助言を行う役割があります。しかしながら、論文を審査している秘密を守らなければいけないため、あくまでも裏方の仕事となっています。PCNの"PCN Reviewer Awards"は、そのような査読者の貢献を公に称えるものとなっていて、毎年、高い貢献をした専門家若干名を表彰しています。
重村淳教授は、2020年の表彰対象となり、2015年に続けて2回目の受賞となりました。