第1回「高校生のための作業療法学講座」を7月22日(金)にオンラインで開催しました。
第1回のテーマは「作業療法は理学療法とどう違うの?-障がいや高齢でも本人ができるようになりたい作業をサポートする専門職-」です。埼玉県や近隣県などのたくさんの高校1~3年生が参加してくれました。
この講座は、本学科が昨年刊行した『高校生のためのテキストVol.1 高校生のための作業療法学』を基に企画されました。作業療法について知ってみたい生徒の方、中学校や高等学校の教員の方、保護者の方などには無料で送付させていただいています。
さて、どんな人も起きているときから寝ているときまで行っている「作業」とは、その人が自分らしく生きていくために必要な活動の事です。これを大きく分類すると、ごはんを食べたりお風呂に入ったりという「日常生活活動」、「仕事やボランティア活動」、「遊びや余暇活動」の3つに分類できます。これは、専門職として人の心身機能の治療や医学的治療への関わりばかり追求していた1970年代に、アメリカの作業療法士のM ライリーが提唱した分類の仕方で、今も使われています。この分類は「その人が必要としているこうした作業の状態を良くする」ことを専門とするリハビリテーションがもう一度生まれ変わった瞬間でした。
現在の作業療法は「身体領域」「精神科領域」「小児期領域」「老年期領域」「地域領域」の主に5つの領域があります。そして、上記イラストのようなさまざまな範囲にわたって、必要とする方々の生活や人生への自立支援に関わっています。
学生たちが作業療法学科を選んだ理由を聞くと、次のような意見が多く聞かれます。
- もともと心理学や精神医学に興味があり、それを実践するリハビリテーションというのが面白いと思った。
- 身体のリハビリテーションだけでなく精神科や子どもや高齢者など、幅広い分野があるので、自分が最も適している方向性をじっくり探していけると思った。
- 身内がリハビリテーションを経験した。この仕事に興味を持って調べたところ、一人ひとりに合ったリハビリテーションを具体的に作業ができるようにして支えられるのがいいと思う。
- 授業や実習で、実際の障がいを持った方の悩みや問題を、作業療法士がこう考えて改善させたという話を聞いていると、刑事や推理探偵みたいに思えて楽しい。
参加された高校生からは「興味が今までよりさらに湧いてきました」「今まで良い部分しか聞かなかったが、大変なところも知ることができて良かった」「個別に相談する時間も設けてもらえて有意義な時間でした」といった感想を頂きました。
第2回は8月26日(金)20時から開催予定です。
子どもの施設と高齢者の施設で、それぞれの現場で活躍している作業療法士(本学科卒業生)が登壇します。ぜひご参加ください。
<第2回からの受講も可能です>
「高校生のための作業療法学講座」概要とお申し込み