保健医療学部作業療法学科、重村淳教授が監訳した書籍『災害精神医学ハンドブック』が誠信書房から刊行されました。
原書は『Textbook of Disaster Psychiatry 2nd Edition』という題名で、災害に関する精神医学の英文教科書です。編者は米国軍保健科学大学トラウマティック・ストレス研究センターCenter for the Studies of Traumatic Stress, Uniformed Services University of the Health Sciences)のロバート J.ウルサノ理事長、キャロル S.フラートン研究所長たちです。
本書は、災害に関連するさまざまなテーマを扱っています。自然災害だけでなく、パンデミック、 テロリズム、メディア報道とメンタルヘルス、リスクコミュニケーションなど、あらゆる危機状況に関する最先端の知見が盛り込まれています。
災害は起きてほしくないですが、残念なことにその発生をゼロにはできません。いかに災害に備え、いざ災害が起きたときに心の影響を最小限にするか、専門家たちは日々考えています。さらに、新型コロナウイルスの影響に苦しむ世界、そして日本において、本書はまさにタイムリーな内容となっています。
重村教授は、もともと原書で「原子力災害への対応」(Nuclear disaster response)という章を執筆していました。2011年の東日本大震災・福島第一原子力発電所事故後に原子力発電所員、自衛隊員、自治体職員などの「心のケア」活動を行い、その研究成果を基に書かれたものです。
なお、本書の刊行は米国軍保健科学大学トラウマティック・ストレス研究センターのWebサイトでも英語と日本語で紹介されています。
『災害精神医学ハンドブック』
監訳者:重村淳
出版社:誠信書房
出版日:2022年1月
原書:Textbook of Disaster Psychiatry, 2nd Edition
監修者:Robert J. Ursano, Carol S. Fullerton, Lars Weisaeth, Beverly Rafael
出版社:Cambridge University Press