保健医療学部 言語聴覚学科の後藤多可志准教授と春原則子教授が行った研究内容が『発達障害大全「脳の個性」について知りたいことすべて』(出版:日経BP)で紹介されました。
本書は、発達障がいの子を育てる編集者・ライターが各界第一人者の医師・研究者など13名に行ったインタビューをもとに書かれています。発達障害のあらゆる疑問に対する答えがつめこまれた「入門書にして決定版」です。
後藤准教授と春原教授が取り組んだ研究は、コラム「フォントで読みやすさが変わる」で紹介されました。
後藤准教授と春原教授は、UDデジタル教科書体(UDフォント※)が発達性読み書き障がい児の読みに与える影響を検討しました。そして、発達性読み書き障がい児は、UDフォントを他のフォントよりも「読みやすい」と感じるが、UDフォントを用いても読みの正確性やスピードは変化しない、ということを明らかにしました※。 コラムでは、この研究を取り上げた上で、「読みの正確性やスピードは上がらないとしても、読むストレスを減らすために好みのフォントに変えることは合理的配慮の1つの選択肢になりえるのではないか」と書かれています。
<研究論文>
後藤多可志, 春原則子, 他:ユニバーサルデザインデジタル教科書体が発達性読み書き障害児の音読の正確性、流暢性および読解力に与える影響. 音声言語医学 64(2),105-115, 2023
※UDフォント(ユニバーサルデザインフォント)
ユニバーサルデザインのコンセプトに基づいた誰にとっても見やすく読みやすいフォント。
読みやすさに加えて、遠くからでもわかりやすく読み間違いがないように、可読性や視認性、判読性が高くなるようにデザインされているのが特徴。