7月14日(火)、名古屋にある鵜飼リハビリテーション病院と、目白大学さいたま岩槻キャンパスを遠隔で結んで、保健医療学部言語聴覚学科「失語症学&演習Ⅰ」の授業が行われました。
池田博之氏は、東京海上日動の東海・北陸業務支援部担当次長 兼 人事企画部人権啓発・ダイバーシティ推進室参事、そして「笑顔の授業」リーダーです。
約4年前、営業のリーダーとして世界を股にかけて活躍していた池田氏を、突然、脳梗塞が襲いました。右半身のまひとともに失語症という症状が残り、言いたいことがあるのに言葉が出ない、人の言うこともよく理解できないという状態になり、失意のどん底に落とされました。不安や葛藤の日々だったと振り返ります。しかし、池田氏は諦めませんでした。「負けない」「頑張ろう」という強い気持ちをもって、リハビリテーションに取り組みました。そんな池田氏を支えたのが、ご家族と会社の同僚や友人たち、そして言語聴覚士でした。
失語症は、聴いて理解することや読んで理解すること、話すこと、書くことすべてが発病前のようにはできなくなってしまう後遺症です。失語症のある方の復職は極めて難しいのが現状です。しかし今、池田氏は、「共生社会づくり」という会社の理念のもと、池田氏にしかできない仕事として、ご自身の体験を伝える活動を通して、たくさんの人たちに大きな感動と勇気を与え続けています。
当日は、この「笑顔の授業」を池田氏と一緒に行っている言語聴覚士の森田秋子先生と伊藤梓先生、そして池田氏の元同僚で現在は上司にあたる原部長もご出演くださいました。学生たちはみな、食い入るように画面を見ながら、お話を伺っていました。質問もたくさん出て、時間切れとなってしまったほどです。
池田氏、森田先生、伊藤先生、原部長、本当にありがとうございました。学生たちは大きな学びと勇気をいただきました。そして、言語聴覚士になるというそれぞれの夢がまた1つ、確かなものになったと思います。