人間学部児童教育学科では、11月30日(月)の「教育実践演習」の時間に、国際連合食糧農業機関(FAO)のボリコ・ンブリ氏をお招きして、授業(講演会)を実施しました。
ボリコ・ンブリ氏は、コンゴ民主共和国(旧ザイール)出身で、名古屋大学大学院国際開発研究科で博士(学術)の学位を得たあと、国際連合食糧農業機関に奉職されました。ローマ本部、ニューヨーク連絡事務所、横浜連絡事務所長を経て、現在、マダガスカル・コモロ・モリシャス・セイシェル国事務所長を務められています。
当日、日本時間14時半、セイシェルは朝の8時でしたが、Zoomで現地とつなぎ、「FAOの活動と世界の食料事情」というテーマでご講演いただきました。ボリコ・ンブリ氏からFAO(国際連合食糧農業機関)の取り組みやミレニアム開発目標(MDGs)、持続可能な開発目標(SDGs)、世界の飢餓と食品廃棄の現状についてお話しいただきました。
その中で、食料援助物資が紛争地帯の人々の手に行き渡らない現状があること、世界中の人々を賄うのに十分な食料が生産されているのに世界の食物の3分の1が廃棄されていること、また、食料廃棄が、食料だけでなく、ごみや地球温暖化の問題と密接にかかわっていることなどをお話しされました。学生の多くは食品ロスに関心をもっていましたが、詳しくお話を伺い、世界の食料事情にとても驚いている様子でした。さらに、計画的に買い物をし、今日食べるものしか買わない、賞味期限が切れそうなものから食べるなどの取組が紹介され、最後に、食料廃棄を減らすために、今日からできることに取り組もうと学生にメッセージをいただきました。
今回の授業は、世界的な飢餓問題・食料廃棄問題やSDGsについて、深く学び、考える上で貴重な機会となりました。