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Department of Nursing さいたま岩槻キャンパス

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看護学科「地域・在宅看護学方法論」でALS当事者の体験談『難病患者の療養生活と看護師に望むこと』を聴講しました

7月18日(木)の看護学部看護学科「地域・在宅看護学方法論」の授業で、神経難病のALS(筋萎縮性側索硬化症の略)をもつ中村秀之氏の体験談をお聞きしました。
中村氏は43歳で発症されてから、現在、日本ALS協会埼玉県支部長として患者会の運営や啓発活動に尽力されています。

テーマは、『難病患者の療養生活と看護師に望むこと』です。
ALSは、手足や呼吸に必要な筋肉が痩せていく病気で、当日は痰の吸引用具などを搭載した車椅子で奥様と2名の介護スタッフに付き添われ来校されました。
ご自身は気管切開により発声ができないため、時間をかけて作成されたスライドを奥様が代読し、冒頭、学生に次のように語りかけました。

「想像をしてみてください。腕や足が痒くても かくことは出来ませんし、目にゴミが入っても我慢です。歩くことも出来ませんから、自分一人で 外に出て、 外の空気を吸うことも、太陽の光を浴びることも出来ません。『今日は暑いね』などの日常会話も出来ませんし、好きな人に その想いを告げることも出来ません」

学生は、真剣な眼差しで講話に聞き入っていました。

中村氏が日常生活で心がけていることは、"安静にしないこと"です。日中、車椅子に座り視線で操作できる機器をパソコンに接続、インターネットやテレビを視聴したり、野球観戦などに出かけたりして生活を楽しまれています。訪問リハビリ・訪問マッサージ、訪問歯科など社会サービスの利用や訪問看護師の仕事内容など具体的に紹介してくれました。

後半、学生2名が透明文字盤を使ったコミュニケーションを体験しました。中村氏の視線に合わせて文字盤を動かし、言葉を読み取るのですがその難しさを感じながらも、意思疎通ができることを体験しました。

  • 透明文字盤1
    透明文字盤:視線に沿って文字盤を動かします
  • 透明文字盤2
    「好きな動物は?」「わ・ん・こ」

最後に、『患者の思いと要望』のなかで"寄り添う"とは?と問いかけがありました。
「患者から信頼されるのは、患者の話を聞いてくれる看護師さんなのです。いくら経験を積んでも初心を忘れずにいて欲しい」
終始笑顔で学生に視線を向ける中村氏のメッセージを学生はしっかりと受け止めていました。

学食にて
「目白の学食は美味しい!」

中村氏からボランティアの募集もありました。
「条件がありまして、学業を優先して欲しいので、テスト期間中は お休みをしてもらいます。あと、留年をしたら辞めてもらいます。」に、教室が笑いに包まれました。