社会学部地域社会学科<地域・ひとづくりコース>の山口晋ゼミでは、5月27日(土)に2年次のゼミ科目「地域社会学応用演習Ⅰ」の一環として千葉県流山市・松戸市の巡検(日帰りフィールドワーク)を実施しました。
江戸期から明治・大正期にかけてこの地域の商業の中心として栄えた流山のまちなみを見て歩き、最後は松戸の戸定邸および旧徳川昭武庭園を見学しました。今回の2年ゼミの巡検も参加をオープンにしていることから山口ゼミ4年の学生も参加しました。
今回の巡検のテーマは古いまちなみや建築物の保存・活用ですが、NPO法人流山史跡ガイドの会・理事長の青柳孝司氏と理事の平本雅晴氏より流山の歴史についてレクチャーいただき、かつての自然堤防上にある流山本町の通りを歩きながら、かつての店舗を活用したギャラリーや曳家※された蔵造りのカフェなどについて現場で詳細に説明をしていただきました。
また大変貴重な経験として、国登録有形文化財の「秋元家住宅土蔵」保存修復工事の現場を実際に見学させていただきました。
流山市教育委員会・次長の北澤滋氏による丁寧かつ分かりやすい解説で、保存修復の難しさやご苦労、修復の際に明らかになったいくつもの発見が印象的でした。
2年ゼミ生の川津空大くんは北澤氏の解説を伺い、「このような歴史的建造物の保存修復の難しさがよく分かった。保存するには耐震性や予算などいろいろ課題もあるが、できるならば、よりその当時の外観や資材を復元するような方法が望ましいのではないか」とコメントをしてくれました。
こういった現場でさまざまな方からお話を伺う中で聞き取りなどの現地調査の技量などを学び、より本格的なフィールドワークを自身で企画し、それを行うことができるように期待したいと思います。
※曳屋(ひきや)...建物を解体せずそのまま移動する工法のこと