社会学部地域社会学科<地域・ひとづくりコース>では、2023年度8月より教職課程を履修している3年生を対象に「教職サブゼミ」(以下、サブゼミ)を開始しました。
「サブゼミ」は、必修科目の演習(通称ゼミ)のようにカリキュラムにある正規の科目ではなく、自主的なゼミです。
2023年度のサブゼミの主な活動は、①教採に向けた勉強、②模擬授業、③教育に関する専門書の読書会でした。不定期の実施でしたが、ほとんど毎週、ないし2週間に1回のペースで行ないました。
活動の概要を月別にまとめると以下のようになります。
2023年度「教職サブゼミ」 | |
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8月 | 教員採用試験に関する基本的な説明&傾向と対策 |
9月 | 教員採用試験過去問月間(教職教養・専門教養) |
10月 | 授業づくり&教科書分析 |
11月 | 教科教育法に関する専門書の読書会(地歴公民・英語) |
12月 | 模擬授業 |
1月 | 教員採用試験対策(教職教養) |
2月 | 教員採用試験対策(専門教養) 入試過去問&模擬授業の会(2月26・27・28日) |
<8・9月>
教員採用試験について説明したあと、過去問を解きながら教職に関する専門的な知識について調べたり、複数の自治体の試験を比較したりしました。
この会には、教職課程を履修する他学科の学生も参加していたので、サブゼミは学科の垣根を越えた形で始まりました。
<10~12月>
3年生は教職授業で模擬授業をやっていたこともあり、みんなでアイディアを出しながら授業をつくり、検討しました。
なお、英語の教員を目指す他学科の学生が自主的に参加してくれたこともあり、社会科と英語科の模擬授業を見せ合う機会が偶然生まれました。
学生は、それぞれの教科の授業づくりの難しさについて話し始め、各教科の授業方法がどう発展してきたかという問いに行きつきました。そこで授業法の歴史に関する専門書を一緒に読んでみることで、専門教科だけでは得られない気づきや視点をお互いに得ていました。(「え、そんなことあるんだ」、「あの時の先生の授業はそういうことか」、など)
<1・2月>
2月末に実施した「入試過去問&模擬授業の会」では、1~3年生の教職履修者全員で入試の過去問を解き、3年生は教育実習に向けて1・2年生に模擬授業を行いました。
学生は過去問を解いた結果から専門教科に関する知識に対する理解度を実感し、今後の課題が明確になったようでした。模擬授業を行った3年生は、授業映像や1・2年生の感想コメントなどから、自らの授業スタイルや教材研究について客観的な視点から振り返りができました。1・2年生は授業を実践する視点を疑似的にですが経験することができたようです。
参加した学生からは、「教育実習前に大勢の前で模擬授業ができていい練習になった」「今回の会でやるべきことがわかってモチベーションが上がった」「授業はつきつめればつきつめるほど奥が深い」などの声がありました。
また、「教職の授業で学習した内容について、より理解を深められ、違う視点から考えられた気がした」という声もあり、履修してきた教職課程の授業内容を改めて学生自身が理解する場としての意味があったようです。
2024年度は新3年生に運営をバトンタッチします。教員を目指す学生の学びの場をどのように発展させてくれるか期待しています。