社会学部地域社会学科<地域・ひとづくりコース>では、今年度も多くの臨地研修のプログラムが動き出しており、多様な学びの場を提供しています。コースの学生も約20のさまざまなプログラムに参加しています。
山口晋准教授は「地方都市の食事文化」について学生とともにフィールドワークをしています。今年7月上旬には、福岡県糸島市での国産メンマの生産者へのインタビュー調査を実施しました。
今回の臨地研修では、10月18日(金)~20日(日)の2泊3日で「ユネスコ食文化創造都市」に認定されている山形県鶴岡市、北前船などの寄港地として発展した酒田市をフィールドワークしました。
酒田は港町として、鶴岡は城下町として発展してきたため、街の景観がずいぶん異なり、地図をもって街を歩くことでそれぞれのまちの特性を知ることができました。
また、農産物直売所や地元のスーパーマーケットにも立ち寄り、鶴岡や酒田のある庄内地方で収穫される在来野菜を目にすることができました。
今回の臨地研修でもっとも重要だったのが、鶴岡市大山にある「つけもの処 本長」での聞き取り調査でした。代表取締役会長の本間光廣氏に漬物蔵の説明をしていただいた後、ご自宅に招いて頂き、民田(みんでん)ナスや温海(あつみ)かぶといった在来野菜の特徴や栽培方法、漬物作りのご苦労についてお話を聞かせていただきました。
臨地研修に参加した<地域・ひとづくりコース>2年生の黒岩花さんは、つけもの処 本長で商品化された漬物の缶詰について、
創業者の本間長右衛門が大正5年に漬物の缶詰を完成させ、漬物の缶詰をアメリカ本土やハワイに輸出したのは大胆なマーケティング戦略だと思いました。この缶詰は現代でも非常に役立っており、東日本大震災ではいち早く被災地へ漬物を送ったそうです。大正期から続く技術が今の私たちの生活にも大きく関わっていることが分かりました。
と感想・コメントを寄せてくれました。
福岡・糸島と今回の鶴岡・酒田臨地研修の両方に参加した<地域・ひとづくりコース>2年生の石橋侃くんも、
地方都市の文化や資源には当たり前だが、共通点や相違点があることがよく分かりました。とりわけ、その地域の食事文化が地方都市の産業や政策に大きな影響を及ぼしていることが理解できました。
と語ってくれました。
<地域・ひとづくりコース>は学生とともに地域の現場に飛び出し、地域に寄り添いながら課題の発見と解決を目指します。