食品業界の実務家をお招きし、マーケティング戦略やブランド戦略についてお話しいただく社会情報学科の「フードブランド戦略論」。
12月2日(木)の授業は、国分グループ本社株式会社マーケティング・商品統括部 商品開発部の森寛規氏と青木杏里氏をお招きし「国分グループ本社オリジナル商品開発について」と題してお話しいただきました。
国分は創業が1712年ということで、309年も続いている日本屈指の長寿企業になります。卸売業という業種ですが、さまざまな自社ブランドの開発も行っており、今回は缶詰ブランドの「缶つま」や「"CAN"Pの達人」そしてフェアトレードチョコレートの「Tony's Chocolonely」 などの開発秘話をお話いただきました。缶詰という保存用食品としてのイメージが強かった商材を高級おつまみとしてヒットさせた「缶つま」や、キャンプ初心者でも手軽に本格的キャンプ料理が楽しめる「"CAN"Pの達人」のプロモーション戦略を解説いただきました。また、西アフリカにおいて奴隷的労働環境で働いている農家を救う目的で開発されたフェアトレードチョコレート「Tony's Chocolonely」について、日本でどのように認知度を上げる活動をしてきたのか丁寧にご説明いただきました。実際のチョコレートも学生たちに配付いただき、フェアトレードの現状を実感し食べながら学ぶ貴重な体験の機会となりました。
学生たちからは以下のような感想が寄せられました。
<学生からのコメント>
- はじめに卸売企業と聞いて、商品を開発することとは遠い業務だと思っていましたが、オリジナル商品の開発を行っていることを知り、卸売企業へのイメージがとても変わりました。
- 元々得意だった酒類の卸売り分野に着目してターゲットを絞り、今までの缶詰の概念を超えて販売場所まで酒売り場に変えることで、新しい「缶つま」の需要が生まれたというのはすごいと思いました。
- パッケージに缶つまと合うお酒の紹介がされているのがとてもいいポイントだと思いました。お酒に合わせて買う缶詰を変えたり、お酒の楽しみ方が増えると感じました。
- 「TONY'S CHOCOLONEY」という商品は初めて知りましたが、すごくすてきなものを仕入れているなと思いました。奴隷的労働制度が存在するチョコレート産業において、農家が一般的な生活水準に達することができるようにプレミアム価格を支払ったりと、すごく素晴らしい取り組みを行っており、フェアトレード商品を広めることはすごく重要だと思いました。
- 奴隷的労働制度によって生産された可能性がある商品の輸入が、日本が世界で2番目に多いというのが衝撃でした。講義を聞いて、今後は板チョコ1枚でも「Tony's Chocolonely」のような活動をしているものを購入したいと思いました。