社会情報学科の「現代の社会2(フードブランド・ケーススタディ)」は、食品業界の実務家をお招きし実務におけるブランド戦略についてお話しいただく講義型の授業です。
10月20日(木)の授業は、エバラ食品工業株式会社の経営統括本部 本部長の小嶋定紘氏をお招きし、ロングセラーブランドである「黄金の味のリニューアル戦略」について解説いただきました。
1978年に発売された焼肉のたれ「黄金の味」は発売39年を迎えたタイミングで初めての大幅なリニューアルを実施しました。きっかけは黄金の味のブランドとしての鮮度が落ち始めているという消費者調査の結果でした。その後、顧客をはじめ取引先や従業員を含む関係者にヒアリングを実施し、原料や品質、容器、容量、デザインのフルリニューアルを実施しました。その結果、商品価値が高まり小売店頭での販売価格を底上げすることで利益率を高めることに貢献しました。学生たちには非常に身近なロングセラー商品の背後にある企業の努力を学ぶ機会となりました。
学生からは以下のようなコメントが寄せられました。
<学生の声>
- 消費者による黄金の味のイメージを調べ、リニューアルしてもそこは変えないというのはすごいと思った。イメージを保ちながらリニューアルすることは難しいが大切だと思った。
- こんなに人気のある商品でもノンユーザーから声を聞いたり、満足度が高くてもリニューアルしていることを知り、進化の止まらない商品だと思った。
- "黄金の味"を"黄金のたれ"だと勘違いする人が多いことから、ブランド名の視認性を高めることも意識してパッケージ変更を実施したという話を聞いて、マーケティングにおいて常に改革が大切であることをんだ。
- リニューアルにおいては、変えるべきところと変えてはいけないところを判断することが重要だと分かった。
- リニューアルは過度な値下げを防ぐためや、ブランド力を守るための取り組みであることを学んだ。