社会情報学科の「現代の社会2(フードブランド・ケーススタディ)」は、食品業界の実務家をお招きし、実務におけるブランド戦略についてお話しいただく講義型の授業です。
11月24日(木)の授業は、アサヒビール株式会社 品質保証部お客様相談室 羽鳥敏彦氏をお招きし「日本のビール業界の歴史とマーケティング~アサヒスーパードライ誕生秘話と36年目のフルリニューアルについて~」というテーマでご講演いただきました。
日本に初めてビールが伝わったのは江戸中期。そこから、札幌麦酒会社や日本麦酒醸造会社、大阪麦酒会社など、現代には名前の残っていない企業群が日本のビール市場を開拓してきました。その後時代は大きく変わり、キリンビールが市場の約半分を占める時代が続きました。そこにビール市場の構造を大きく変えたて登場したのが1987年に市場導入されたアサヒビールのスーパードライでした。
成功の秘訣は、従来の「ビールは重く苦い」というイメージを「爽快でスッキリ」したイメージに変革させたことや、当時では珍しく発売当初から洗練されたデザインの「缶」を投入したことでした。その後36年が経ち、消費者の価値観変化にともない大々的なリニューアルに踏み切り、史上最速で10億本を突破する大ヒットとなりました。
学生からは以下のような感想が寄せられました。
<学生の声>
- 日本のビール業界について詳しく知ることができてよかった。
- 商品に鮮度をもたせて出し続けていくには、リニューアルをして時代に沿ったものにしていく必要があると学んだ。
- ビール業界の競争は激しく、消費者の志向やニーズが変わっていくなかでブランドを確立するには大変な努力が必要なことが分かった。
- ビールを造る側(醸造家)と消費者との感覚のズレを生じさせないためにも、消費者への調査が大切であることを改めて学んだ。
- それまでの容器の主流が「瓶」の中で、「缶」にするために行った工夫に驚いた。