社会学部の共通科目である「現代の社会2(フードブランド・ケーススタディ)」は、食品・製薬業界などの実務家をお招きし、企業における現実のブランド戦略やマーケティング戦略についてお話しいただく授業です。
11月14日(木)の授業は、クラシエ株式会社 フーズカンパニー・マーケティング室 菓子部 菊池光倫氏をお招きし「知育菓子®の過去から未来へ」と題してご講演いただきました。
知育菓子という新しいカテゴリーを創造した"ねるねるねるね"は、1986年に子どもの泥遊びから着想を得て誕生しました。発売後は順調に売上を伸ばしましたが、やがて売上の伸びが止まり、減少が始まりました。
そこで"ねるねるねるね"は、親や子どもたちの視点を最優先に考え、パッケージに「保存料、合成着色料ゼロ」の表示追加や、「なぜ粉を加えると色が変わるのか」を解説する文章を掲載することにしました。
結果、売上が前年比174%に達し、顧客からの信頼と支持を得ることができました。
学生たちからは以下のような感想が寄せられました。
<学生の声>
・"ねるねるねるね"は「知育菓子」というカテゴリーを作り上げ、子どもたちが遊びながら学べるという新しい価値を提供してきたことがよく分かりました。
・"ねるねるねるね"に大人版があるのを知りませんでした。久々に知育菓子を作れてとても楽しかったです。この商品が「子どもの泥遊び」をヒントに生まれたことを知り、驚きました。
・時代背景に合わせた商品開発や改善など企業努力を学ぶことができました。また、「知育菓子=子どもの食べもの」という先入観をなくし、すべての人が楽しめるようにパッケージを工夫していることを知りました。
・売上が低迷した時、リブランディングとして子どもに合わせた味の開発や大人目線にも気を配り安全性をアピールするなど、ロングセラー商品である秘訣・企業努力を実感することができました。
・お菓子を作る楽しさなどを通して、「個性を伸ばす」、「失敗を楽しむ」、「違いを尊重する」といった3つの価値を提供し、「子どもの自信を育む」というコンセプトで知育菓子が作られているということを知ることができました。