5月24日(金)、さいたま岩槻キャンパス共通科目「地域社会で生きる」で、岩槻黒奴(いわつき・くろやっこ)保存会加藤広高会長を講師に招いて授業を行いました。黒奴から生まれたキャラクターの「もうかりうやっこ」も遊びに来てくれました。
この授業では、キャンパスがある「岩槻」に関わる方からお話を伺い、実際に岩槻の街を歩き、岩槻の伝統文化の体験を通して岩槻について考え、今後自分が出ていく地域にどう関わるかを考えていきます。
今回は、加藤会長に「岩槻黒奴ともうかりやっこ」というテーマで講義していただきました。岩槻黒奴は、黒い木綿の半纏(はんてん)を着た若い衆が神輿徒御の際、岩槻城下町を練り歩いたことから「黒奴(くろやっこ)」と呼ばれ、江戸時代から日光の赤奴・甲府の白奴と並んで日本三奴とされていましたが、昭和29年を最後にその伝統は途絶えていました。それをさいたま商工会議所青年部の有志が立ちあがり、久伊豆神社、氏子関係者のご理解とご協力をいただき、平成20年の岩槻まつりで復活させ、その後、保存会を発足して現在では岩槻のさまざまな行事に参加しています。
講義では、実際の衣装や使用する黒奴の特徴である毛槍(けやり)などを持参してもらい、"奴振り"を体験させてもらいました。また、ゆるキャラ「もうかりやっこ」も登場し教室が盛り上がりました。
後半では「もうかりやっこをもっとたくさんの人に知ってもらうには?」というテーマで学生たちのアイデアを募集し、「地元の給食にもうかりやっこ食品を出す」「工事現場のゆるキャラガードにもうかりやっこを採用する」など活発な意見が飛び交いました。
また、講義の中では地元に認知されるまでの苦労話などもしていただき、「歴史の舵はいつの世も熱ある者が取ってきた」という言葉を加藤会長が大切にして信念を持って行動してきたことを伝えていただきました。学生たちの感想にも「熱い思いが伝わった」とありました。また「もうかりやっこの実物が意外と可愛らしかった」という意見もあり、以前よりも親しみが持てたようです。
今後は、岩槻街中ウォーキングや伝統の木目込み人形体験を通し「岩槻」について学んでいく予定です。
※この科目は櫻井健太専任講師を中心に言語聴覚学科の教員が担当しています。
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もうかりやっこと記念写真 -
特徴である長い毛槍も体験します -
黒奴の衣装を着させてもらいました