保健医療学部

言語聴覚学科

Department of Speech, Language and Hearing Therapy さいたま岩槻キャンパス

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言語聴覚学科「地域言語聴覚療法学」で東京海上日動の池田博之氏による『笑顔の授業』が行われました

  • 最後は「笑顔」で記念撮影

1月11日(木)、保健医療学部言語聴覚学科の「地域言語聴覚療法学」で、失語症当事者の池田博之氏による『笑顔の授業』が行われました。
池田氏は、勤務先である東京海上日動火災保険株式会社の業務として講演活動をしており、当日は奥さまと一緒に、はるばる名古屋からいらしてくださいました。

講義タイトルの通り、池田氏の笑顔でのあいさつから、授業は始まりました。
池田氏は約8年前に脳梗塞によって失語症を発症し、今でも、言いたいことが言えない、相手の言っていることが理解できないという症状に悩まされています。
でも「万策尽きたあとの最後の一手がある」という言葉を胸に、諦めない強い気持ちでリハビリテーションを継続されています。

失語症は「聴いて理解する・話す・読んで理解する・書く」という基本的な言語活動すべてに困難さが生じるため、コミュニケーションに支障を来し、発症後に元の職場に戻ることは非常に困難です。
池田氏は「がんばろう」ではなく、支えてくれる人がいるから「がんばれる」と何度もおっしゃいます。池田さんのお人柄やこれまでの生き方もあり、会社の方々やご家族、そして言語聴覚士、多くの人に支えられているということだと思います。発症から現在までの症状とその時々の気持ち、復職に至る経緯と復職後のお話、さらには言語聴覚士を目指す当学科学生に向けた期待と励ましの言葉をかけてくださいました。学生たちは、これから言語聴覚士を目指す上でのモチベーションが高まったと思います。

後半は、池田氏から出されたテーマでのグループ討議を行いました。学生は、失語症のある人が「新幹線の予約」や「レストランでの注文」で困ることについて考え、紙面にまとめて発表しました。さらに、困りごとへの対策や、失語症のある人への有効なコミュニーション方法について検討し、発表しました。

池田氏は、重要な発表内容には二重マルや花マルをつけ、ご自身の体験や考えをもとにコメントをくださいました。実際の体験に基づく貴重な話をお聞かせくださり、学生たちは深い学びを得ることができました。
池田氏、奥さま、本当にありがとうございました。

  • 学生の意見に耳を傾ける池田氏
  • ジェスチャーを交えつつ、学生に思いを伝える池田氏