人間学部子ども学科の専門教育科目「保育内容演習(ことば)」で、NPOブックスタートの活動について学びました。
ブックスタートは、「絵本」を「読み聞かせの体験」と一緒に、すべての赤ちゃんにプレゼントする活動です。1992年にイギリスで始まった活動は、日本でも2001年に導入され、現在では、全国の1108の自治体で実施されているそうです(2024年6月30日現在)。
授業の前半では、ブックスタートの始まりから、実際の活動の様子などを、写真や映像をみながら学び、「赤ちゃんにとっての絵本の時間」とはどういうものかを考えました。後半は、ブックスタートで赤ちゃんに手渡される絵本を1人1冊手に取り、ペアで交互に読み聞かせをすることを通して、絵本を読んでもらう赤ちゃんの気持ちや、読み聞かせをする読み手の気持ちをそれぞれ体感しました。
学生のコメントシートには、いろいろな気づきが記されていました。
<学生のコメント>
- 【読み手の視点から】
- ・相手が赤ちゃんだと思いながら、どんな声色や話し方をすれば良いかなどを考えて、工夫して読みました。途中であいづちなどをいれると、相手も反応してくれ、1人で絵本を読むよりも楽しみながら読めたと思います。
- ・赤ちゃんに向けて読んでみようとすると、話すスピードがゆっくりになったり、ハキハキしゃべろうと意識することがたくさんあって、良い経験になったと思います。
- 【赤ちゃんの視点から】
- ・赤ちゃんになりきって聞いてみて、言葉が十分に分からないので、読み手の口、手、顔や絵を見て楽しみました。読み手になったときは、表情に気をつけて読みたいと思います。
- 【全体を通して】
- ・ただ活字を読む「read books」ではなく、読む時間を共有し楽しむ「share books」が大切であることを知りました。もし赤ちゃんが寝てしまっていたらどうするのだろうと思いましたが、保護者自身が読むことで、絵本は楽しいものだと知ってもらうことが大切であると学びました。
たくさんの赤ちゃん絵本に触れて、自然と表情和らぐ時間になりました。
NPOブックスタートでは現在、外国にルーツのある赤ちゃんや保護者に向けた多言語資料や絵本の導入にも力を入れているそうです。「あたたかい絵本のひとときを、すべての赤ちゃんに。」を実現するために何ができるのか、私たちも継続して考えていけたらと思います。
(科目担当者:當銘 美菜)
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自然と柔らかい表情に -
一緒に読むのも楽しい -
ゆっくり丁寧に読みます -
聞き手に見やすいように配慮して